寺井町の内科・消化器内科・内視鏡内科・肝臓内科クリニック

04.腸内細菌

 

 今回は腸内細菌の話です。

 

 お腹が張ったり、便秘気味であったりすることの原因の一つに腸内環境の乱れがあります。腸内細菌には善玉菌、悪玉菌、日和見菌と3種類あります。日和見菌は善玉菌が多ければその味方をしますし、悪玉菌が多ければそちらにつきます。

 

 つまり善玉菌の割合を増やすと日和見菌も善玉菌側に味方して、腸内環境が整うことになりますね。

 

 善玉菌をサポートする食材・・・何となく予想がつきますね。いわゆる生菌由来の食材ですね。ヨーグルトや納豆、キムチ、味噌、ぬか漬けなどです。主にビフィズス菌や、乳酸菌、酪酸菌などを含んだ食材となります。ヨーグルト一つとってもカスピ海ですとかLG21ですとか様々な種類があります。食べてみて便通が良くなったとか、何となくおなかの調子が良くなったなど、自身に合っているなと実感できるものを続ければよいと思います。

 

 

 これらの菌を手軽に摂取する方法の一つに私がよく処方するビオフェルミンやラックB、ミヤBMがあります。これらは整腸剤と呼ばれる内服です。この整腸剤と食・生活習慣の是正で便秘が改善する人も多いです。

 

 

 少し余談になります。この整腸剤という薬は腸炎などで吐いたり下痢したりなどの際にもよく処方します。腸炎の原因がウイルスであれ、細菌が原因であれ腸内環境が乱れていることが多いため、整腸剤を内服し環境が整うと下痢が治まってきます。他の科のDrからは整腸剤ごとき大した効果がないと言われることも多いのですが・・・。

 

 

 しかしながら腸内細菌の研究はめざましく発展しています。太ったマウスの腸内細菌をやせたマウスの腸内細菌へ移植するとやせたマウスが肥満マウスへと変化するといった報告もあります。

 

 

 安倍首相も罹患している大腸の難病の一つ『潰瘍性大腸炎』は新薬も多くでていますが、便移植といって健康な人の腸内細菌を移植することで病状が軽快するといった報告もあります。この便移植は臨床試験段階ですが実際に”人”を対象に治療がなされけっこうな効果が確認されてきています。また、”がん”と腸内細菌の関連に関しての論文も増えています。

 

 

 つまり腸内の環境を整えることが便秘はもとより多くの病気の治療につながるわけですね。長寿の時代を生き、誰しもが必ず”がん”になる時代だからこそ、腸内環境は大切です。

 

 

腸内細菌に良い食材・・・ヨーグルトや納豆、味噌などの発酵食品

 

 

 

 

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